「海洋ミネラルMCMの取得をご紹介②「微量元素を含む食用塩組成物及びその製造方法」

特許第3469110号(平成15年)
「微量元素を含む食用塩組成物及びその製造方法」

特許請求の範囲

【請求項 1】
炭酸カルシウムを150 ~ 300°Cに加熱し酢酸を加えることにより形成した酢酸カルシウム (a)、食塩に 海藻粉を乾燥重量比で 1:1 ~ 15 の割合で添加混合し、海藻粉の一部が炭化するまで加熱した食塩・ 海藻粉混合物 (b)、ニガリ (c) 及び海水から水分を蒸発させて得られる海洋ミネラル (d) を含むことを特徴とする食用塩組成物。

【請求項 2】
前記 (a) 成分が全固形分の 0.1 ~ 15 重量%を占める請求項 1 に記載の食用塩組成物。

【請求項 3】
前記 (b) 成分が全固形物の 1 ~ 60 重量%を占める請求項 1 または 2 に記載の食用塩組成物。

【請求項 4】
前記 (c) 成分が全固形分の 0.5 ~ 10 重量%を占める請求項 1 乃至 3 のいずれかに記載の食用塩組成物。

【請求項 5】
(A) 炭酸カルシウムを 150 ~ 300°Cに加熱し酢酸を加えることにより酢酸カルシウムを形成する工程、 (B) 食塩に海藻粉を添加混合して海藻粉の一部が炭化するまで加熱する工程、(C) 海水から水分を蒸発させて塩分が折出しない程度まで濃縮する工程、 (D)(A) 工程及び (B) 工程で得られた生成物、ニガリ及び食塩を (C) 工程で得られた濃縮海水に添加する工程、及び (E) 水分を蒸発させて、食塩を主体とする固形分粒子を折出させる工程を含む、請求項 1 乃至 4 のいずれかの食塩組成物の製造方法。

 

発明の詳細な説明【発明の属する技術分野】

本発明は、微量元素を含む食用塩組成物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、カルシウム、マ グネシウム、並びに、海水由来のミネラル ( 海洋ミネラル成分 ) 及びヨード等の生体に必須の微量成分を含有する食用塩組成物及びその製造方法に関する。

【従来技術】

近年、微量ミネラル成分の欠乏と老化との関連が注目されている。老化症状と微量ミネラル欠乏症状との間には下記表 1※に示す類似性があるといわれている。

老化の病態学的背景には活性酵素・フリーラジカルの増加、免疫性の低下、血圧上昇や高脂血症などの循環疾患、耐糖能異常乃至発ガン等があるが、多くの種類の微量ミネラル欠乏で同じ病態が引き起こされる。特に、フリーラジカルは生体内の代謝過程で発生して細胞を阻害する要素となり、このフリーラジカルの増加は老化、成人病、発ガンのメカニズムに関与することが判ってきた。通常はこれを消去する酵素(スーパーオキサイドジスムターゼ、SOD) が働いて有害作用を抑えているが、老化した生体で微量ミネラルが欠乏するとこの酵素の働きが阻害される。このため、生体に備わる防御機構に狂いが生じて生体の活力が失われ、成人病が発生しやすくなるといわれている。これは老化や微量ミネラル欠乏によるSODの低下が微量ミネラルの添加で是正され、さらに実験的には高血圧、高脂肪症、糖尿病などの成人病が微量ミネラルの添加で改善されるとの事実から裏付けられている。また、セレン欠乏や亜鉛欠乏でガンの発生率が増加することは古くから疫学調査で報告されている。このように微量ミネラルの欠乏は老化や疫病と重要な関係にある。

また、ヨードは甲状腺ホルモンに含まれ、その欠乏は幼児・児童においては発育不全を、成人においても筋力や記憶力、食欲等の低下を招き、皮膚の乾燥や粘液水腫等を引き起こすことはよく知られている。以前は、日本人の食生活ではヨード分に富んだ海産物が比較的多く採られていたため、ヨード摂取量は概ね十分量に達していたが、近年、食生活の変化に伴ない、ヨード分の不足が問題になりつつある。

そこで、最近では、微量元素及びヨードを含む各種の塩味組成物が提案されている。例えば、特開平 4-108357 号広報には、海藻灰化物を水抽出して得られる海藻ミネラルを添加した有機酸塩とを組み合わせた食塩代用物が記載されている。また、特開平 7-255415 号広報には、海藻灰及び酸化マグネシウムを主成分として含む塩味組成物が記載されている。しかし、海藻ミネラルは、海藻が海水から選択的に吸収したミネラル分からなるため、これのみでは人体にとって十分にバランスの採れたミネラルの補給にはならない。また、一般に中高年にさしかかると、生体内のカルシウムは、摂取・吸収量の低下や代謝・排泄過程の障害でバランスが崩れ、慢性的な欠乏状態に陥るとされているが、海藻ミネラルに含まれる程度のカルシウム量では必要量を補うのが困難である。しかも、カルシウムは必ずしも吸収されやすい元素ではない。そこで、従来、カルシウムに関しては、ビタミン D やカゼインフォスフォペプ チド(CPP)を加えたカルシウム補助食品として販売されるのが普通である。このため、必要なミネラル成分のすべてを十分に摂取しようとすると様々な ミネラル補助剤やカルシウム補助食品を併せて採らなければならず、各成分をバランス良く摂取するのは極めて難しい。

【発明が解決しようとする課題】
 本発明は、日常生活において、必須微量元素、カルシウム、ヨード等を効果的かつバランス良く摂取するための食塩組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】

人体内に流れる血液あるいは体液の成分は、原始海洋成分に酷似するといわれており、微量元素が生体の生命活動を支える細胞レベルの代謝に必須な構成要素である。また、実際に海水中には、上記老化症状に関係する微量元素はすべて含まれている。本発明者は、海水中に含まれる海洋ミネラルの生体への作用について研究を進め、既に、海水濃縮物から塩化ナトリウムを可能な限り除去した後、さらに水銀等の有毒成分を除いた、ミネラル複合体(Marina Calcium Mineral;以下、MCM と略記する。)を含む、肝炎、高血圧、腫瘍、アトピー性皮膚炎、鼻炎などに有効なアレルギー治療剤を提案している(特開平 10-120578 号公報)。

上記のアレルギー治療剤は、主として病気治療に用いられるが、病院を訪れる程度の症状がない場合であっても、日常生活において微量元素の摂取が重要な課題になりつつあることは上述の通りである。そこで、本発明者は、かかる海洋ミネラル及びカルシウム、さらに甲状腺機能低下等に有効なヨード成分をバランス良く、かつ日常的に摂取するための手段について検討した。その結果、これらのミネラル分のバランスの良い摂取に有効な食塩組成物の本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の食塩組成物及びその製造方法を提供する。
(1)炭酸カルシウムを 150〜300°Cに加熱し酢酸を加えることにより形成した酢酸カルシウム (a)、食塩に海藻粉を乾燥重量比で 1:1〜15 の割合で添加混合し、海藻粉の一部が炭化するまで加熱した食塩・ 海藻粉混合物(b)、ニガリ(c)及び海水から水分を蒸発させて得られる海洋ミネラル(d)を含むことを特徴とする食用塩組成物。

(2)前記(a)成分が全固形分の 0.1〜15 重量%を占める前記1に記載の食用塩組成物。

(3)前記(b)成分が全固形分の 1〜60 重量%を占める前記1または2に記載の食用塩組成物。

(4)前記(c)成分が全固形分の 0.5〜10 重量%を占める前記1乃至3のいずれかに記載の食用塩組成 物。

(5)(A)炭酸カルシウムを 150〜300°Cに加熱し酢酸を加えることにより酢酸カルシウムを形成する工程、(B)食塩に海藻粉を添加混合して海藻粉の一部 が炭化するまで加熱する工程、(C)海水から水分を蒸発させて塩分が析出しない程度まで濃縮する工 程、(D)(A)工程及び(B)工程で得られた生成物、 ニガリ及び食塩を(C)工程で得られた濃縮海水に添加する工程、及び(E)水分を蒸発させて、食塩を主体とする固形分粒子を析出させる工程を含む、 前記1乃至4のいずれかの食塩組成物の製造方法。

発明の実施の態様(I)成分

本発明の食塩組成物は、以下の各成分を含む。 (a)カルシウム成分、(b)海藻粉に由来するヨードその他のミネラル及び有機成分、(c)にがり(主としてマグネシウム成分)、(d)海水に由来する海洋ミネラル、及び(e)食塩(但し、食塩は (b)と複合させたものでもよい。)。以下、各成分についてさらに詳しく説明する。

(a)カルシウム成分

上述のように、カルシウム成分は一般的に吸収性が必ずしも良くない。本発明では、炭酸カルシウムを150〜300°Cに加熱し酢酸を加えて吸収性に優れた酢酸カルシウムとする。原料として用いる炭酸カルシウムは食品添加用レベルの純度を有するものであれ ばよく、好ましくは、貝殻等の生物起源の炭酸カルシウム粉末または軽質炭酸カルシウム(沈降炭酸カルシウム)である。必要に応じ粉砕して粒度を調整する。通常、粒径が 1μm〜5mm、より好ましくは 100μm〜3mm 程度であればよい。粒度が細かすぎると加熱時に焼結しやすい。粒度が大きすぎると酢酸カルシウムへの転化反応の効率が低くなる。

炭酸カルシウム粉末は、常圧下、150〜300°C、好ましくは、200〜280°C、より好ましくは 250°C前後 (220〜270°C)に加熱し、酢酸液と混合する。酢酸液は、水溶液等、食用に適した溶液を用いてもよい。その濃度は好ましくは 10%以上、より好ましくは 20%以上である。酢酸液の濃度が低すぎると反応が十分に進行しない。酢酸液の濃度が高いと混合時の揮発量及び揮発ガス中の酢酸濃度が増加するため、60%程度以下とすることが好ましい。

(b)海藻粉

本発明ではヨードその他の成分を強化するために、海藻粉を用いる。海藻粉は有機物及び水分を多量に含むため、そのままでは製品劣化の原因となりやす い。海藻を焼いてその灰を用いる方法も行なわれているが、この場合、アルカリ性が強くなり、糖分や アミノ酸成分が失われるため、食味が低下する。また、「藻塩やく 蜑(あま)のたく火のほのかにも我思ふ人みるよしもがな」(源 実朝 , 金槐和歌 集)と古来、和歌にも詠まれているように、古代の製塩法では、海水を海藻に注ぎ掛けて濃縮し、これを焼いて塩分を採取するが、この方法でも、灰ー析出塩の混合物をさらに水に溶かして、上澄みを釜で 煮詰める方法が採られているためアルカリ性が強く 有機成分はほぼ完全に失われる。本発明の方法では、これらのいずれとも異なり、海藻粉を食塩と混合し、この混合物を加熱して、海藻粉を脱水する。加熱は 海藻粉が部分的に炭化する程度とする。これによりすべてを灰化する従来の方法とは異なり、ヨード分や旨味成分等の有機物類の損失を最小限にとどめつつ、製品劣化の原因となり得る微生物類はほぼ完全に死滅することが可能となった。また、灰による食味の低下もほとんどない。

海藻粉の処理は、海藻粉に対して、好ましくは 1〜 15 倍、より好ましくは 5〜10 倍(乾燥重量比)の食塩を添加し、これを十分に混合した後、海藻粉が一部炭化する程度まで加熱して行なう。食塩量が少ないと、海藻粉を迅速に脱水し適度に炭化させるための制御が難しい。食塩量が多すぎると、加熱のためのエネルギーコストが過大になる。加熱温度は、通常、100°C以上、好ましくは 150°C以上である。加熱温度が低いと脱水反応が迅速に進行せず、一方、 加熱温度が高すぎると炭化が急速に進むため、180 〜230°C程度が最も好ましい。加熱方法は限定されないが、例えば、海藻粉ー食塩混合物を金属容器に入れて撹拌しながらガス炎または電気炉等で加熱したり、上記混合物を高温ガスに晒す等の方法を採ることができる。加熱は 230°C以下ならば大気中でよいが、加熱雰囲気を不活性ガス雰囲気(例えば窒素) として、より高温で短時間で実施することも可能である。加熱時間は、海藻粉と食塩との量比、水分含有量等によるが、数分乃至数時間程度である。一部炭化の目安としては、例えば、海藻粉の水溶性成分が食塩表面に移行し、さらに脱水が進行して混合物の全体が褐色乃至暗色に色付いた状態となればよ い。

海藻粉は、食用に供し得る海藻であれば特に限定されない。このような海藻の例としては、コンブ、ワカメ、ヒジキ、アラメ等の褐藻類、アサクサノリ、テングサ等の紅藻類、ミル、アオサ、アオノリ等の緑藻類等が挙げられる。本発明では、粉末としてその成分を用いるので、必ずしも慣用的に生食されている海藻に限られず、例えば、ホンダワラ、ツノマタ、キリンサイ、フノリ等の海藻を用いてもよい。
加熱処理が効率的に進行するように、海藻は、常法に従い予備乾燥し、粉砕しておく。粉砕粒度は限定されないが、数ミリ以下に粉砕すれば十分である。
また、食塩は、海藻との接触で脱水が迅速に進行するように、予め加熱して十分に水分を除いておくことが好ましい。

(c)苦汁(にがり)

苦汁(にがり)は、塩化マグネシウムを主成分とし、 硫酸マグネシウム等をも含む塩類の混合物である。 本発明で用いる苦汁は市販のものでよい。

(d)海洋ミネラル

海洋ミネラルは、ろ過海水を濃縮乾固することにより得られる。ここで用いるろ過海水は、清澄な海水を天然または合成の織布、不織布、紙等のろ材を通して製造されるものである。木炭粉等の吸着材を加えて清浄化を行ってもよい。一般に天然製塩に用い得る程度の清澄度を有していればよい。例えば、海面下百メートルの清浄な海水からプランクトン類の残滓等を除去した程度のものが用いられる。なお、海洋ミネラルは、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、 等の常量元素に加え、生体に必須な微量元素、すなわち、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、クロム(Cr)、 コバルト(Co)、セレン(Se)、マンガン(Mn)、モ リブデン(Mo)、珪素(Si)、フッ素(F)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)等を含む。

(e)食塩

本発明組成物の主成分をなす食塩は、上述の(b) 成分の食塩でもよいが、これとは別に食塩を用いてもよい。海藻粉の脱水行程はエネルギーコストを要するが当該工程で用いる食塩を少なくし、本発明組成物の主成分である食塩を別途加えることにより、 脱水工程に要するエネルギーコストを低減できる。また、食塩組成物は、摂取しやすいように、粒度を1mm 以下とすることが好ましいが、添加する食塩の粒度を調整することにより、目的粒度の組成物を得ることができる。

(II)成分比

 上記成分の配合比を変更することにより、様々な特徴を有する製品を得ることができるが、ミネラル分のバランス良い摂取という目的からは、下記の条件(特に(b)成分に関する条件)を満たすことが好ましい。

・前記(a)成分が全固形分の 0.1〜15 重量% ・前記(b)成分が全固形分の 1〜60 重量% ・前記(c)成分が全固形分の 0.5〜10 重量%

 なお、ここで、全固形分とは、最終的に得られる食塩組成物の重量をベースとしてという意味である。

(III)製造方法

本発明の食塩組成物は、上述の(a)〜(c)成分(さらに必要であれば食塩)を海水に添加し、水分を蒸発させて、食塩を主体とする固形分粒子を析出させることにより得られる。添加順序は特に限定されな い。なお、成分(a)は、例えば、酢酸カルシウム を生じた反応液にさらに高濃度の酢酸を加えて酢酸カルシウムを沈殿させろ過することにより分離し、 これを用いてもよいが、酢酸カルシウムを溶解あるいは分散した酢酸液を、そのまま、海水に投じても よい。生成した酢酸カルシウムはそのまま海水中に溶解する。また、未反応の炭酸カルシウムは微量なので通常そのままでよいが、必要であればろ過して除く。未反応の酢酸は水分蒸発過程で除去される。最終的な蒸発乾固工程を効率的に行なうために、海水としては、予め濃縮した海水を用いることが好ましい。濃縮度は特に限定されないが、好ましくは10 倍以上、より好ましくは 30 倍以上である。上記 の酢酸カルシウム成分(a)、食塩・海藻粉混合物成 分(b)、ニガリ(c)及び必要であれば食塩(e)を 濃縮海水に加え、十分に攪拌してから、減圧あるいは加熱により乾燥を行なう。乾燥後は、好ましくは、1週間以上天日で干して熟成させる。

実施例

 以下、本発明の食塩組成物の製造例を示す。

実施例

(A)酢酸カルシウムの生成

食品添加用の軽質炭酸カルシウム 100g を約 250°Cまで加熱し、換気装置内で過剰量の酢酸水溶液 (30%)中に投じて反応させた。発泡がなくなった後、液の一部を採り、減圧濃縮して塩を析出させ、塩組成を分析したところ、ほぼ全量が酢酸カルシウムに転化していることが確認された。

(B)海藻粉ー食塩の生成

食塩 1kg を 200°Cに加熱して水分を除去した後、80 〜100°C程度まで冷まし、1mm程度以下の大きさに砕いた乾燥コンブ粉末 150g 加えた。これを金属容器に入れ、よく混合しながら全体が褐色になるまで加熱した。放冷後、混合物を観察すると、表面が灰 褐色に変色した食塩粉末中に海藻粉(暗色乃至黒色の丸まった状態)が分散する混合物になっていた。

(C)海水濃縮液の調整

黒潮海域(大洗沖)の海面下約 100m の清浄な海水を採取し、活性炭を加えて混合後、ろ過して浮遊物及び有害成分を除いた。これを加熱して 10 倍に濃 縮した。

(D) (A)で得た酢酸カルシウム含有酢酸液(酢酸カルシウム換算で 100g)、(B)で得た海藻粉ー食塩 500g、にがり 40g、食塩 150g を、(C)で得た濃縮海水(固 形分含有量:200g)に順次添加し、よく混合しながら加熱乾固して、褐色がかった灰色の食塩混合物約 1kg を得た。20 日間天日に晒した後、概ね 0.5mm 以 下の粒度を有する食塩組成物を製造した。

分析結果

上記の食塩組成物に含まれる成分を原子吸光光度法 (各種元素)、モール法(塩素)、過マンガン酸カリウム 容量法(カルシウム)、ガスクロマトグラフ(ヨード)及び ICP 発光分析(ケイ素)により分析した。結果を 表 2※に示す。

なお、海藻成分は有機成分及びヨードであり、海藻成分の約 0.5%がヨードである。また、海洋ミネラルは、 亜鉛、ケイ素、鉄及びクロム等の塩類を約 0.1mg〜 100mg程度含み、その他、マンガン、セレン、銅等が確認された。また、ヒ素、カドミウム、鉛及び有機水銀は 検出されなかった。

実験例1
20 代男女 50 人に対し、本発明の食塩組成物(試料 A)、 市販の食塩(試料 B)、塩田法で得られた天然塩(試料 C)の目隠し試験を行なった。評価基準は、3種のうちでどれが最も好ましいかという総合的な評価である。その結果、試料 A の評価は試料 C よりも高く、本発明の組成物は、味の点もまろやかで好ましいという評価が得られることが確認された。

なお本発明の食塩組成物は医薬品でないため厳密な実験には馴染まないが、実際に、本発明の食塩組成物を常用した場合、倦怠感等の不定的な症状の改善、ア トピー皮膚炎症状の緩和等の効果が観察されてい る。

【発明の効果】

 本発明による食塩組成物は、カルシウム、ヨード、微量元素をバランスよく含むので、これらの元素の不足を補い予防する効果を有する。主成分は食塩であり、食味においても優れているが、食塩と同様に常用することが可能である。





 

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