【生体にとって欠かせないものそれがミネラル】
栄養学においてミネラル(英: mineral)は、一般的な有機物に含まれる元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外に、生体にとって欠かせない元素のことを指します(無機質ともいう)。糖質、脂質、蛋白質、ビタミンと並び五大栄養素の一つとして数えられます。
なお、日本においては13元素(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として厚生労働省により定められています。
しかし、動物の種類や性別、成長段階によって必要な種類や量は異なり、すべての要素は適度な量を摂る事が良く、欠乏すると様々な病気の原因ともなります。
今回は日本が厚生労働省により定めている健康増進法に基づく食事摂取基準の対象13元素の欠乏により起こりうる様々な症状をご紹介いたします。皆様もこの中に当てはまるものがないかチェックしてください。
【厚生労働省により定めている健康増進法に基づく食事摂取基準の対象13元素の主な欠乏の症状】
【亜鉛】
貧血、性機能の低下、味覚障害、成長障害、肌荒れやニキビをはじめとする皮膚炎や発疹、脱毛などの原因を招きやすくなります
【カリウム】
筋力の低下、疲れやすい、食欲不振、高血圧、低血糖、糖尿病、神経障害、精神障害、 不整脈、ストレスの増大、消化不良、肌荒れ、むくみなどの原因を招きやすくなります
【カルシウム】
くる病、骨軟化症、骨粗しょう症、情緒不安定など神経の過敏、動脈硬化、手足の痙攣、歯がもろくなる、高血圧症や糖尿病の原因を招きやすくなります
【クロム】
糖尿病(血糖値のコントロールが悪化)、動脈硬化、疲れやすい、高脂血症などの原因を招きやすくなります
【セレニウム(セレン)】
心筋症、不整脈、動脈硬化、疲れやすい、免疫力や筋力の低下、・フケや抜け毛などの原因を招きやすくなります
【鉄】
鉄欠乏性貧血、疲れやすい、頭痛、動悸、食欲不振、甲状腺機能低下症、肝臓病、糖尿病、低血圧、心臓病、冷え性、子宮筋腫、胃潰瘍などの原因を招きやすくなります
【銅】
貧血、骨格の形成不良、毛髪異常、免疫機能の低下、コレステロールや糖代謝の異常、色素沈着の低下などの原因を招きやすくなります
【ナトリウム】
疲れやすい、食欲の低下、嘔吐、下痢などの原因を招きやすくなります
【マグネシウム】
骨や歯の形成障害、筋肉の痙攣、手足のしびれ、心疾患
【マンガン】
成長不良、疲れやすくなる、糖尿病、骨の異常、傷が治りにくくなる、生殖能力の低下などの原因を招きやすくなります
【モリブデン】
貧血、疲れやすい、成長障害、夜盲症(鳥目)、頻脈などの原因を招きやすくなります
【ヨウ素】
甲状腺肥大、甲状腺腫、成長不良、発育障害、小人病、脈拍低下、体のむくみなどの原因を招きやすくなります
【リン】
疲れやすい、歯周病、骨軟化症、筋肉の衰えなどの原因を招きやすくなります
【では上手にミネラルを摂るには?】
ミネラルをきちんと摂るには、いろいろな食品をバランスよく食べることが一番です。極端に同じ食品を食べ続けたり、加工の過程でミネラルが失われがちな加工食品や精製食品ばかりを食べると、ミネラルの不足や過剰摂取を招くので避けてください。普段の食生活で補いきれないミネラルは無理せずにサプリメントで補充しましょう。ただサプリメントだけでもだめなので、上手に食事と一緒にとっていくことが大切です。
理想的な食事とは、一日にとるエネルギーの比率が、タンパク質が15%、脂質は25%、炭水化物は60%となる食事のことです。
1977年、アメリカが生活習慣病を減少させるために、理想的な食事目標を打ち出しました。
その理想的な食事の目標は当時の日本食とほぼ同じだったので、日本食が注目されてます。
毎日三食しっかりとした日本食をたべることが、ミネラル不足を補うための食事にもっとも近いのかもしれません。
大切なのは、ミネラルバランス。骨を作らなければと思って、カルシウムばかり摂っても意味はありません。13元素以外の微量元素の摂取にも心がけましょう。