健康は自らで守るセルフケアーの時代 2

Ⅲ.【 医食同源 】

病気を治療する「医事」と日常摂る「食事」は、どちらも生命を維持し健康を保つために欠かせないもので、源は同じ(同源)であるという意味です。

日頃から規則正しく栄養バランスの良い食事を摂ることは、病に対して抵抗力のある身体を作り維持することにつながり、予防医学を実践していることになります。

そして仮に病気になったときは、医療を施すことで元の健康体に戻るように努めます。

このように、食事も医事も考え方において、どちらも健康を保つために欠かせないのです。

 

なぜなら、食事で摂る食材は、細胞・骨格を作りエネルギーを生み出すだけではなく、病気やストレスに対する抵抗力を生成する物質を含んでいるからです。

それは、タンパク質・脂質・炭水化物・食物酵素、ビタミン、ミネラルです。

※古代ギリシャの医者で医学の父とよばれるヒポクラテス(紀元前460年頃~紀元前370年頃)は、「食事は薬」であり、患者に適切な食事を摂らせることが大切としています。

※「医食同源」という言葉は、1970年代に栄養第一主義の欧米食文化が広まってきたことへの反省から、日本で新たに作られた造語です。しかし、その意味合いは古くから「薬膳」「薬膳料理」の形で認められていました。

 

Ⅳ.【 生薬 (ショウヤク、キグスリ) 】

生薬は、古来より自然が人にめぐみとして与えてくれた薬剤です。

天然に存在する薬効をもつ有効成分を、精製せずに体質の改善に用いる薬の総称です。

生薬が効能をもたらす本質は、それらに含まれている天然のミネラルによるものです。

天然のミネラルは、人の自然治癒力と免疫力を生み出す必須栄養素です。

 

生薬の由来は、植物由来・菌類由来・動物由来・鉱物由来の四種類に大別されます。

洋の東西を問わず、人々は自分が住む身近な所から病や傷に効く天然の物質を見つけ出し、それを天然の薬剤として代々語り継ぎ、人々はその効き目の恩恵にあずかってきました。それらが、古くから生薬といわれたものです。

近代になり、世界的に医学が発達して薬事に関する法整備がなされるにつれ、国ごとに生薬についての法的位置付けが定められてきました。

生薬すべてを医薬品とする国もあれば、一部を食品とする国もあります。

日本における漢方薬は、複数の生薬を漢方医学の理論に基づいて組み合わせて処方されたものであります。その結果、漢方薬の医薬品効果は複数であることが多く見受けられます。

西洋医学で開発されたく医薬は、ある特定の症状に効果を発揮することを目的に開発され、化学的なものが多い特徴があり、副作用で新たな悪い箇所を生み出すことがあります。

 

Ⅴ.【 健康のために良い食事の摂り方 】

毎日摂る食事は、健康を維持し増進するためにとても大切なものですが、食事の内容や摂り方によって健康に及ぼす効果が大きく異なってきます。

食事で摂取した食材のタンパク質・炭水化物・脂質などの栄養分は、消化器官で消化・分解された後、アミノ酸・ブドウ糖・脂肪酸・グリセリンなどに形を変えて体内に吸収され、酵素やホルモンに組み替えられます。

それらの働きで、体内の細胞や器官や神経系統、赤血球・白血球・リンパ液などの体液が作られ、また身体を動かし神経系を機能させるエネルギーが生み出されています。

 

1.三大栄養素の食材をバランスよく摂ること

タンパク質を20%より少し多めに、脂質は20%より少し少なめに、炭水化物は60%が望ましいとされています。

タンパク質は、成人で60兆個ある細胞の原材料です。新陳代謝で、細胞は毎日5千億個が死滅し同数が生成されていますので、タンパク質の不足は円滑な新陳代謝の妨げとなってしまいます。

更に、タンパク質は消化と代謝活動に使用される数千種類に及ぶ体内酵素の主原料であり、体内酵素を産生するように命令するホルモンの多くもタンパク質で作られています。

脂質を多く取りすぎると体脂肪率が高まり、生活習慣病の原因を作り出してしまいます。

 

2.食材をよく噛んで食べ、腹八分目の食事にすること

人が体内で作り出せる酵素の総量は、各個人の遺伝子によって決まっており、40代を過ぎると急激に産生量が少なくなるとの学説があります(米国 酵素栄養学の第一人者 エドワード・ハウエル医学博士)。

体内で産生できる酵素は、消化酵素と代謝酵素の2種類がありますが、両者を合計した産生量が有限である場合、できるだけ消化酵素の使用量を少なく抑えることが健康にとって大きな意味を持ってきます。

食材を分解・吸収するための消化酵素の使用量を少なく抑えることで、代謝酵素を多く作ることができます。

食材が口内でよく噛まれて細かく分解されることにより、唾液・胃液・腸液などの消化液を使用する量が少なくて済みます。

また腹八分目の食事は、食材の量が少ないので消化液の使用量が少なくて済み、消化酵素の産生量が少なくて済むということになります。

消化液の産生量が少なくなる分、代謝酵素が多めに作られ、その結果として健康維持と増進に必要な代謝活動がより活発に行われる素地が作られます。

これが、腹八分目で満足している人に長寿の方が多いといわれる理由の一つです。

 

3.食物酵素を多く含んだ食材を、意識して積極的に摂ること

食物酵素とは食材に含まれている酵素で、体内への消化吸収時に消化酵素に切り替わるものです。

ですから、体内消化酵素の代替酵素となります。

食物酵素を多く含んだ食材をとることは、体内で産生する消化酵素の量を抑えることにつながり、その結果、余った栄養分は代謝酵素の産生に廻すことができるのです。

 

食物酵素を多く含んだ食材 :

有機農法でつくった穀類・野菜・果実類、天然物の魚介類、生肉

発酵食品(納豆・味噌・醤油、漬物、ヨーグルト等)等

※農薬・除草剤などの化学物質を使用した農作物・果実類では、その化学物質が土壌から吸収した天然ミネラルと結合することで、食物酵素は多く作られません。

(続く)

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